続くを綴る

ショーマストゴーオンという言葉がある。

どんな事があったも舞台を辞めずに続けなさいという事だ。

人間の命は絶対であり、尊いものである。

だが、人の命は地球より重いなどという言葉は詭弁だと思う。

残念ながら、誰が亡くなっても世の中は動いていく。舞台も続いていく。

ミニシアターに行った。

現時点では全国でも10ぐらいの映画館しか上映されてない。更に1日1本しか上映されていない。

だが、観客は10人程度。そんな世間では見向きもされない映画だ。

タイトルを言いたいところだが、読者には想像を膨らませて読んでほしい。

ある男のドキュメントである。

私が彼を知ったのが2018年である。

2019年彼が難病に患っている事を告白する。

そして2020年彼は亡くなる。

ちょうど私が知るあたりから、ドキュメントは始まっている。

とある地方町に住む、50を過ぎた中年男。

ドキュメントを見る限り、地方都市で細々と暮らしている一般人。

色々とあって、奥さんからは逃げられるは、あまり誇らしい人生ではなさそうだ。

彼はある趣味で地元の仲間を集めていた。

それが地元にも根付き、やがて全国ニュースになった。

ようやく陽の目にあたるようになった矢先、先述の難病が見つかる。

嬉しい事と最悪な事が同時にきたのだ。

だが、その趣味を通じて、逃げた奥さんとよりを戻し、最後は家族と一緒に闘病生活をおくり最期を迎える事が出来たのだ。

と流れとしてはそこまでの話であるが、もう一つの魅力が彼の仲間たちだ。

10人以上いる仲間のインタビューで生前の彼を語る。

みんな彼からの誘いで仲間になった。

彼らはちょっと病んでる人だったり、あまり産業のない地元にくすぶっていたり、上京したけど上手くいかず地元に戻ったりと、何か日常に鬱屈とした者達が集まっていた。

みんな、亡くなった彼には感謝していた。そして、全国区までのし上がった団体をもう一度まとめ上げ、また地元でコツコツと活動している。舞台は続いているである。